やわらか将棋観戦記

将棋観戦のために遠征を重ねる観る将。将棋イベントレポと遠征の記録(行き方やご飯、宿など)がメインです。

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第77期名人戦第1局大盤解説会レポ

 

前夜祭に続いて、第77期名人戦第1局の大盤解説会2日目に行ってまいりましたので、その様子をすこし書いていきます。金井六段のトークが大好きなので、金井六段の話題多めです……万遍なく書こうと思ってはいたのですが、メモを見返したら金井六段語録みたいになっていました……

そして、本当は大盤解説会の1日目も遅刻しながらも行こうと時間休を取っていたのですが、ご承知のとおり千日手になってしまったため、残念ながら間に合わずでした……

 

(前夜祭の様子はこちら↓に書いております。ご興味ございましたらどうぞ……)

www.shogiensei.com

 

概要

  • 日時:初日 4月10日(水) 午後2時30分~6時30分、2日目 4月11日(木) 午後2時~終局まで
  • 場所:ホテル椿山荘東京 バンケット棟1階「胡蝶」
  • 入場料:2日通し券3,000円/1日券2,000円(中高生1,000円、小学生以下無料)
  • 申込み:当日受付・先着順
  • 解説:金井恒太六段、和田あき女流初段

 

アクセスと開場まで

(※冒頭のアクセスのついては前述の前夜祭の記事と同じことを書いていますので、ご承知の方は読み飛ばしてくださいませ……)

今回、JR目白駅から都営バスで椿山荘まで行きました。バス乗り場は、目白駅を出たら目の前の道路を渡って少し左手(三井住友銀行方面)に進んだところにあります。椿山荘行きまたは新宿駅西口行き(白61系統)に乗車し、椿山荘前で下車します。

別の日はタクシーを利用しましたが、1,000円弱だったので、人数が多かったり、荷物が多い方はタクシーも良いと思います。その場合も、できれば駅前の道路(目白通り)を渡ってからタクシーを拾った方が、進行方向的にスムーズかと思います。

 

椿山荘前で降りたら、すぐそばの信号を渡ったところに椿山荘があります。エントランスは3階なので、エスカレーターorエレベーターで1階まで降りると、大盤解説会場があります。

私は開場の1時間程前に到着したのですが、その時点では3~40名程が列を作っていました。昨年の天彦羽生戦の時は開場1時間前でその倍は列が出来ていましたし、大盤解説会開始前に立ち見も出ていたので覚悟して行ったのですが、今年はそれほどではありませんでした。

座席はおそらく300席はあったかと思います。ホワイエに無料のお水があるので自由に飲むことが出来ます。椿山荘内に自販機はなく、近隣にコンビニもないので、このサービスは嬉しいですね。

解説会が始まるまで少し時間があったのでお庭を散策しました。対局室はどこか分かりませんでしたが、対局室がある建屋を眺めてみたりしました。

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見にくいですが手前の建屋に対局場があります

大盤解説会開始

さて、いよいよ大盤解説会が始まりました。解説は金井恒太六段和田あき女流初段のコンビ。

金井六段はダークグレーのスーツにネイビーのネクタイ、そして眼鏡。和田女流はピンクの可愛らしいワンピースで登場されました。金井六段の眼鏡姿がかなり好みなので、眼鏡を掛けてきてくださって嬉しかったです。

大盤はプロジェクターに映すスタイルで、大盤操作は藤本奨励会二段でした。

 

千日手指し直し局の初手から解説が始まりました。先後が入れ替えられたので、先手が豊島二冠、後手が天彦名人で横歩取りの進行となりました。

初手からの解説がひととおり済んだところで後手の指し手(38手目)が進まなかったため、話題は前夜祭での戦型予想の件に。

和田「金井先生、前夜祭で戦型予想はなんて言ってましたっけ?」

金井「ありがとうございます!(めっちゃ良い笑顔)豊島さんの先手で横歩取りになると思います、と言ったら(前日の千日手局は天彦名人の先手で角換わりとなったため)ひとつも当たらなくて、部屋に籠っていようかとも思ったのですが……」

金井六段が部屋に籠ることにならなくてよかったです(笑)。それにしても戦型予想の話題を振られて「ありがとうございます!」と食い気味に返す金井六段の笑顔が素敵でした。

 

後手38手目の長考~次の一手出題

前夜祭の話題でひとしきり盛り上がったところで現局面を確認すると……

金井「現局面は……進んでないですね。我々にとって残念なお知らせですね」

いちいち言葉選びが愉快な金井六段。ということで、後手38手目の候補手を検討していくことに。

感想戦でも触れられていたようですが、3三桂が一番検討されました。

この手の検討中、千日手局でついた2時間の時間差(豊島二冠の方が2時間多かった)がなくなり、持ち時間がならんだという情報が入りました。この情報に対する金井六段が「駅伝で言うと、並走している状態ですね。まあ何で今駅伝が出てきたのかは分からないですけども」と仰っていたのがなかなか味わい深かったです。

 

などとお話しされているうちに、天彦名人が△5四龍と指されました。指し手が当たらなかった金井六段は自信を失くされたようで、次の豊島二冠の指し手は普通に考えれば6六歩だけれど、それ以外かもしれない……と他の手を検討されたところで、さっそく豊島二冠が▲6六歩を指されました。

和田「6六歩突きましたね!」

金井「ここは意外と大丈夫なんですね。少し自信を持って頑張りたいと思います」

ハキハキと自虐を交える金井六段に思わず(金井先生がんばって……!)と心の中で思った瞬間でした。

 

そして間もなく天彦名人が△7三桂と指され、これまで3三桂を中心に検討していたので、その手に対して「逆にね!」と発言する金井六段。

この次の豊島二冠が考慮に入る兆しが見られたため、この41手目が次の一手問題として出題され、休憩に入りました。

 

佐藤紳哉先輩と金井六段

休憩明けは、ゲスト解説棋士として佐藤紳哉七段が登場しました!

本日は被り物がないスタイルでした。曰くほぼ毎回椿山荘には来ていて、だいたいいつも被り物は持ってきていたけれど、ここ2~3年解説会に呼ばれていなかったので、この日は持ってこなかったとのこと。活躍せずに家で鞄から被り物を取り出すと、被り物が寂しそうだから……と語る佐藤七段がなんだか可愛らしかったです。

 

金井六段とのコンビだったのですが、佐藤七段が「どう思いますか?」「どっちが良いんですか?」とガンガン聞いていくので、すこしたじろぐ金井六段。

あら?金井先生って結構いじられ系?などと思っていると、佐藤七段が「金井先生は常に的確に答えてくれるから、つい聞きたくなっちゃうんです。『金井あるある』ですよ」と。『金井あるある』!妙に納得です。

 

そして金井六段は佐藤七段のことを「紳哉先輩」、「先輩」と呼ぶのがツボでした。紳哉先輩……

 

島九段と和田女流初段

続いてのゲスト解説棋士として立会人の島朗九段が登場しました。和田女流初段とのコンビです。

一日目の千日手局に関するエピソードをお話しして下さりました。

本来の予定では、1日目は19時30分から夕食会が始まるはずだったけれど、15時過ぎに千日手が成立し、翌日指し直しとなってしまったため、19時には夕食会が終わってしまったとのこと。

封じ手までの持ち時間が折半されて差し引かれる、と告げた時の豊島さんの憮然とした表情が印象に残っている、と仰っていて、そりゃあそうだよなあ……と思いました。

 

そして島九段と言えば伝説の島研ですが、羽生九段と森内九段のエピソードもお話しして下さりました。

羽生九段と森内九段は25歳のといから名人戦を戦っているが、今回の2人も20年後にも戦っている可能性がある、というお話しが熱かったですね。

 

再び金井六段と和田女流コンビ

さて将棋も終盤戦に差し掛かってきたところで、金井六段と和田女流コンビで再登場です。

だいぶ会場の雰囲気も暖まってきて、お客様からも候補手が出てくるようになりました。今回はお客様の手を積極的に採用して検討していくスタイル(金井六段がコール&レスポンスと仰っていた記憶)で、会場の一体感があった気がします。こういった雰囲気を感じられるのも現地観戦をする醍醐味ですね。

 

夕食休憩の時間も近づいてきた頃、豊島二冠が▲64手目で2四飛と打ち、2一飛成を狙いました。この手に対して金井六段の「これを手抜く歴史はないと思うんだよなあ……」という発言に郷田ismを感じて、静かにテンションが高めておりました……
そしてこの手の考慮中に天彦名人の持ち時間が1時間を切ったということで、1分ごとに×をつけていく紙が登場。ここで金井六段が「1分ごとにバツがつくんですよ……」と仰ったときの重い言い方が印象に残っています。金井六段にはまたタイトル戦に出てきてほしいですね……

夕食休憩明けに深浦康市九段がいらっしゃって、反抗期の娘さんにまつわるすべらない話をしてくださりましたが、ここで書くのは忍びない内容だったので割愛します。Twitterで書かれている方を見かけたので、気になる方は探してみてくださいませ……

そして最終盤、ひととおりの詰み筋を解説したあとは、見守りタイムでした。二人ともマイクを下ろしてスクリーンを見つめます。この苦しいような愛しいような静謐な時間が好きです。
一度席を外したあと、投了するかと思われた天彦名人が再度席を外したときに、静かな声で「気持ちはよく分かりますよ……」と仰った金井六段。やはりタイトル戦を戦った先生の言葉は重いですね……

程なくして天彦名人の投了となりました。2日間、とても濃密な将棋でしたね。大盤解説会もとても楽しかったです。金井六段のことがますます好きになってしまった解説会でした。

 

この記事を書いている時点で豊島二冠の2連勝となっています。天彦名人のことですから、このままストレート決着ということにはならないと思いますので、これからの戦いが楽しみです。

 

↓今後の日程や開催地アクセスは下記記事をご参照くださいませ。

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