やわらか将棋観戦記

将棋観戦のために遠征を重ねる観る将。将棋イベントレポと遠征の記録(行き方やご飯、宿など)がメインです。

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岡崎将棋まつりレポ②

 

岡崎将棋まつりレポ後半戦、公開対局部分のお話しになります。

イベント概要とアクセス、前半戦のトークショー部分は下記記事をご参照くださいませ。

www.shogiensei.com

 

公開対局①室田伊緒女流二段VS脇田菜々子女流1級

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名物の藤棚

岡崎将棋まつりは公開対局が3局もあり、とても豪華です!すべて将棋連盟ライブ中継(将棋連盟ライブ中継|日本将棋連盟)で中継されていますので、詳しい棋譜はそちらをご参照ください。(本当は局面も載せたいけど権利関係が不安なので……)

なお、トークショー終了後は一度退場し、再度公開対局用の列に並び直す必要があります。まあ、公開対局はトークショーより定員が少なく、席に余裕はあるため、どうしても最前列を取りたい!という方以外は普通に移動して大丈夫だと思います。

 

さて、室田女流二段VS脇田女流1級の対局。中部の美女対決ですね。

振り駒の結果、室田先生の先手番となりました。室田先生は相変わらずお美しく、脇田先生はとても可愛らしいです。能楽堂の鏡板の松を背景にして、お二人の美しさがよく映えています。

最初の解説は石田先生と髙見先生です。岡崎の大盤の駒は特大で動かすのが大変だそうで、叡王戦に向けて右手を壊してはいけないので(?)左手を使って大盤操作をする髙見先生。そんな髙見先生に対して石田先生「じゃああんまりこまづかいさせちゃダメね。”こまづかい”って将棋から来たのかね?”けいかくてき犯行”は違うね」と絶好調です。石田先生の自由な感じは見ていて気持ちが良いですね。

対局の方は室田先生の中飛車に対して脇田先生は居飛車で対抗形となりました。駒組みがだいたい終わったところで、解説陣がバトンタッチ。石田先生が「男にも女にもモテる斎藤君~!」と斎藤先生を呼び出します。石田先生、やはり絶好調です……笑

とっても出てきづらそうに登場される斎藤先生。

 斎藤「あの呼び方じゃ出たくなかった……」

 髙見「でも出てきたってことは男にも女にもモテる……」

 斎藤「しずかに!将棋指してるんだから!」

慌てている斎藤先生が可愛い……!その後も髙見先生が「斎藤さん、王座取ってからモテ具合は?」と振ると「この手は~」とスルーして解説を始めるなど、同年代の楽しいやり取りが続きました。

解説陣の可愛らしいやり取りにとは対称的に盤上は激しい戦いに。 後手の脇田先生が8筋で歩の成り捨てから手を作っていこうとすると、室田先生が振り飛車党らしく駒を捌いていきます。

室田先生が後手陣に切り込んでいったところで、解説陣の交代となりました。流れからすると、最初から解説をしていた髙見先生が交代となるところですが、ここで斎藤先生が「佐々木・髙見の解説が見たい!」と主張。渋る髙見先生に「あまり普段わがままを言わないけど、どうしても見たい!」と畳み掛け、髙見先生と勇気先生での解説が実現しました。斎藤先生のわがままの言い方(あのはんなり奈良訛りでおっしゃるのをご想像ください……)も内容も可愛すぎでしたね……

そして髙見先生と勇気先生との解説。その中で、斎藤先生が話題に上がったのですが、勇気先生は斎藤先生が関東で対局があるときは、斎藤先生のことを待っているとのこと。仲良しなんですねえ。勝俣先生のツイッターにもお二人の仲睦まじい様子が上がっていましたし、なんだかほっこりします。

そして対局の方は、室田先生の華麗な攻めが決まり、脇田先生の投了となりました。4二角成りからの攻めがとても格好良く、ますます室田先生を好きになってしまいました。

 

公開対局②斎藤慎太郎王座VS佐々木勇気七段

2局目の公開対局は東西イケメン仲良し棋士対決ですね。振り駒の結果、勇気先生の先手となりました。最初の解説は石田先生と杉本先生。

戦型が横歩取りとなり、後手が16手目で3三角と上がったところで石田先生が、勇気先生は横歩取り勇気流の本を書いていたけど出さなかった、というお話しをし始め、暗に勇気流を指すように圧?を掛けられました。それを聞いていた勇気先生は少しはにかみながら、しばし悩み6八玉。無事に(?)勇気流となったため「安心して退場します」と石田先生は豊島先生と交代されました。

豊島先生が横歩取りは「短い時間で指すのは難しい、濃密な将棋になる」と語っていたのが印象的です。自分の横歩取りの印象は、斬り合い斬り合いで気付いたらどちらかが倒れている、みたいな激しいイメージだったので『濃密な将棋』と聞いてなるほど、そういう捉え方って素敵だなあ。

さて、対局の方は早々に飛車を交換する派手な展開に。斎藤先生はかなり悩まし気な表情で指し進めていきます。対する勇気先生はジャケットを脱ぎ、前傾姿勢で盤面に集中しています。

お互いに敵陣に歩を打ち、と金を作り合ったところで、杉本先生から室田先生にバトンタッチとなりました。

斎藤先生の棋風についての話題となり、斎藤先生が41手目6二銀と自陣に手を戻したのを見て「斎藤さんは慎重。自分ならここで8七角とかを考えてしまう」と豊島先生。ここで8七角(金も銀も桂も利いている場所!)は激しすぎます……!が、格好良い……!盤を離れるとにこにこと可愛らしいですが(実際この発言もにこにこしながらお話しされていた記憶)、盤上では鋭く斬りこんでいく豊島先生らしい発言です。

そして戦いはお互いに角も飛車も打ち合う激しい展開。形勢は少し揺れ動きながらもほぼ互角とのこと。両者1歩も引かない熱戦です。

6筋に戦力を集中させた後手がついに王手の連続で先手陣に切り込んでいったところで、解説者は豊島先生から瀬川先生に交代。後手の王手が途切れたところで、盤上の攻守も入れ替わりました。後手が9八角成りと詰めろを掛けたあとは、先手が長手数の詰将棋のような連続王手を続け、斎藤先生の投了となりました。

とても面白く熱い将棋を間近で見ることが出来て感動です。難しい局面でときおり俯いて頭に手を遣り、やってしまった、という雰囲気を出しながらも、ふと決断したように盤を見つめ直して相手陣の駒に手を伸ばす斎藤先生の美しさ。そして口元に指をあてながら盤面を凝視する勇気先生の熱いまなざし。お二人ともとても素敵でした。

だいぶお腹がいっぱいになってきましたが、次がメイン対局です!もはや午前中のトークショーが遠い昔のことのように感じられます。本当に充実したイベント内容ですね。

 

公開対局③豊島将之二冠VS高見泰地叡王

「東西スター対決」と銘打たれたこのメイン対局。タイトルホルダー同士、しかも両者タイトル戦の最中です。お忙しい中イベントに出演していただけて感謝……!

振り駒の結果、豊島先生の先手番となりました。

戦型は髙見先生の得意戦型である矢倉に。お互いにほとんど時間を使わず、駒組みを進めていましたが、30手目で後手の髙見先生が4二銀と珍しい手を披露しました。かなり準備してきたことが窺えます。

このあたりで先ほど見事勝たれた勇気先生が解説として登場されました。兄弟子の勝又先生によると、先ほどの対局中、髙見先生は勇気先生の指し手をよく当てていたとのこと。それを聞いた勇気先生は「残念ながら同門なので……」。冷たい……!笑

5筋の歩を交換したところで、35手目先手の豊島先生の手番で1回目の封じ手となりました。

ちなみに今年の次の一手用紙は有料(たしか300円か500円)でしたが、会場近くの売店で使用できる同額のクーポン券付きだったので、実質無料ですね。封じ手候補はその他ありの三択制でした(女流名人戦第3局のその他無し・ガチ予想の名人戦棋譜速報スタイルがすこしトラウマ……)。

1回目の封じ手のあとは、豊島先生が端攻めを見せた手に対して、後手の髙見先生が雁木風の駒組み~玉をあらかじめ躱しておくという工夫を見せます。背筋を伸ばしたまま、ほとんど動きがない豊島先生に対し、座布団に手をつき少し前傾姿勢で読みを入れる髙見先生。お二人とも普段は可愛らしい印象ですが、対局中の真剣な表情は本当に格好良くて痺れます。

2回目の封じ手を終えたところで、解説は勝又先生から斎藤先生へ交替となりました。斎藤先生と勇気先生の仲良しコンビ、斎藤先生の口調がすこしフランクになるのが堪らないですね。難しい局面で「斎藤さん、形勢判断をお願いします」と勇気先生がびしっと振ると「それを言わないというワザだったんだけど言わされるんか~」と嘆く斎藤先生。可愛いです。

攻守がくるくると入れ替わる激しい終盤戦。先手が桂馬を3枚持ったところで、

 勇気先生「三桂あって詰まぬことなしと言いますが……」

 斎藤先生「三桂あって詰まぬことなし……という人は日頃の行いが良い

斎藤先生の名言……!妙に納得です。これを聞いてから、中継を見ていて3桂揃うとついこの斎藤先生の発言を思い出してしまいます……

本対局でも豊島先生が3桂集めるも攻めのターンが回ってくることがなく、髙見先生が攻め切り、先手の投了となりました。

終局後、とても嬉しそうな髙見先生にこちらも嬉しくなります。

最後は豊島・髙見・斎藤・佐々木の4人でわちゃわちゃ大盤感想戦が可愛らしくて癒されました。そして4人が感想戦で盛り上がっていると、うしろからひっそり静かに忍び寄る石田先生。だいぶ近づいたところで「やってまいりましたよ~」と石田先生がおっしゃると、ようやく気が付いて破顔する先生方。幸せな空間でした。

 

充実のプログラムもこれにて終了。長いようであっという間な一日でした。とても楽しかったです。来年も来られると良いなあ。

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帰りに見たからくり時計

 

※追記:岡崎ニューグランドや豊橋カレーうどんについてメモを書きました。

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