ひとり棋譜コメソムリエ選手権2019

将棋のはなし
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2019年度も終わるということで、これは!という棋譜コメを紹介する、棋譜コメソムリエ選手権をひとりで開催します!イベントレポを書きたくてもなかなかイベントに参加できないこのご時世、ひとりで将棋イベントを開催し、楽しんでしまおう!という、かなしくもたのしい企画です。

棋譜コメソムリエ選手権とは?

棋譜コメソムリエ選手権とは何ぞや?という方もいらっしゃるかと存じます。棋譜コメソムリエ選手権とは、昨秋開催された文春将棋さんのイベントである「観る将ナイト」内の企画のひとつで、棋譜中継の下部に書かれている解説コメント、通称『棋譜コメ』を、棋譜コメを愛する棋譜コメソムリエの方々がプレゼンする、というものです。 詳しくは下記のレポ記事をご参照くださいませ。

この企画がめちゃくちゃ面白かったので、自分でもやってみよう、という会です。別に私は棋譜コメソムリエを名乗れるほど棋譜コメマニアではないのですが、棋譜コメは大好きなので、推し棋譜コメを熱く語れればと思います。

さて、今回ひとり棋譜コメソムリエ選手権を開催するにあたり、下記のようなルールで選考してみました。

ひとり棋譜コメソムリエ選手権 開催要綱
  • 推し棋譜コメを1位~3位まで選ぶ
  • 期間は2019年4月1日~2020年3月31日まで。

本家に倣い、プレゼンする棋譜コメは3つ。そして期間は2019年度。この期間に登場した棋譜コメの中から独断と偏見で3つ選びました。

なお、本来であれば棋譜コメのスクショとともにご紹介したいのですが、権利の関係で出来ないので、ご興味のある方は将棋連盟ライブ中継アプリで確認してみてくださいね。無料中継があるものは公式サイトのリンクを貼っています。

おともの将棋めし?

観る将ナイト当日は、お~い(王位)お茶ハイや霧島酒造ハイボール、激辛流からあげなど、将棋にちなんだ限定メニューが用意されていました。

ということで、今回私も選考のおともに将棋にちなんだメニューを用意して臨んでみました。おお~たのしくなってきた!!今回用意したのは、以下のメニューです。棋譜コメソムリエ選手権ということで、観戦記者さんのお名前にちなんだものを多めにしてみました。ダジャレ祭りですが、何をイメージしているかお分かりになるでしょうか?

本日のメニュー
  • 金麦
  • 霧島酒造ハイボール
  • ジンジャーハイボール
  • あんずサワー
  • カレ・ド・ショコラ カカオ70 
  • 揚げ塩ぎんなん
  • 明太チーズもんじゃスナック
  • ごぼう天
ジンジャーハイボールなど

ジンジャーハイボールにぎんなん、もんじゃスナック。中継記者さんのお名前にちなんで。

カレドショコラ

豊島竜王名人がもぐもぐしていることで有名なカレ・ド・ショコラ

ちなみにジンジャーハイボール用の生姜シロップはこのために超辛口のものを手作りしました。なかなか奥が深かったので、このおうちごもり期間に極めたいと思います。

第3位:ひとりぼっちの棒銀

それでは、お酒を飲みながら選んだ渾身の3棋譜コメをご紹介いたしましょう。皆さまもよかったらお酒を片手にお読みくださいませ。まずは第3位から。

ひとりぼっちの棒銀。2五銀は力をなくしている。

2019年9月14日 「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」 二回戦第三局 中国大会
渡辺明JT杯覇者 対 羽生善治九段  ▲65手 5八飛 (銀杏記者)

おなじみ銀杏記者による、 何とも言えない哀愁が漂う棋譜コメです。後手の渡辺JT杯覇者が3九の地点に角を打ち、先手の棒銀を支える飛車を追い払った局面。「ひとりぼっちの棒銀」。支えを失い茫然とする棒銀ちゃんの様子が涙を誘いますね……

ちなみに、この対局の棋譜コメは他にも素晴らしいもの(『16時10分、眠れる獅子が起きだした。』、『後手の飛車はクモの巣にかかった蝶のよう。』などなど)が数多くあるので、無料で読めますし、是非じっくりご鑑賞いただきたいです。銀杏記者の棋譜コメは、まるで文学作品を読んでいるかのような表現が多く、また棋譜コメのボリュームもあるので、級位者でもとても楽しく読むことが出来ます。持ち時間が少なく、棋譜コメが少なくなりがちな早指し棋戦でもこのボリュームですからね……流石の一言に尽きます。

第2位:後手玉、旅に出る

第2位はこちら。このフレーズは記憶に残っている方も多いのはないでしょうか。

住み慣れた我が家に不満はなくとも、新天地を目指して旅に出る。

2019年11月30日 第68期王座戦1次予選 
及川拓馬六段 対 西尾明七段 △142手
 三玉 (独楽記者)

劣勢だった先手が粘りに粘った末に執念の入玉を果たした局面で、それに対応した後手玉も入玉に向けて動き出した場面です。何とか生き延びようとやっとの思いで入玉を果たした先手に対して、後手玉の軽やかで余裕のある、希望溢れる表現が輝いています。そして、このキャッチ―なフレーズですよ!まるで住宅か旅行の広告のキャッチコピーのような、記憶に残る名棋譜コメだと思います。

独楽記者の棋譜コメは、基本的にオーソドックスで落ち着いた印象なのですが、突如こういったキャッチ―なフレーズが出現するところが非常に面白いです。特に中終盤は気を抜けません。

第1位:久保陣を見よ

そして第1位!自分の中では文句なしの第1位です!

久保陣を見よ、遊び駒がない。すれすれの駒運びを成立させる、「さばきのアーティスト」の美しい指し回しが光る。

2020年1月7日 第33期竜王戦1組ランキング戦
屋敷伸之九段 対 久保利明九段 △68手 5二同角 (紋蛇記者)

先手玉の受けが難しくなり、攻め合いに持ち込んだ局面。46手目で飛車取りを手抜いて打った角が、受けに働いたところです。

『久保陣を見よ』ってもはや命令形じゃないですか。これってかなり強い表現だと思うんですけど、だからこそ中継記者さんの感動・興奮が伝わる名棋譜コメだと思います。 紋蛇記者がこんな風に熱く書いてしまうほどに美しい久保九段の指し回し。いや~痺れますねえ……

この棋譜コメを選んだのにはもう一つ理由がありまして、実は自分、この棋譜コメをきっかけに久保九段のファンになってしまったのですよ。中継当時、この棋譜コメを見て「えっ久保九段格好良い……!」となり、久保九段の過去の棋譜を並べたり、中継を追いかけたりするようになりました。先日発売された新刊ももちろんサイン本を予約済みです。届くのが待ち遠しい……すこし話が逸れましたが、つまりこの棋譜コメが、ひとりの将棋ファンを久保九段沼に落とすほど、久保将棋の魅力を十二分に伝える、凄い力のあるものであった、ということが言いたかったのです。

以上の超絶個人的な理由から、本棋譜コメを1位に推させていただきました!

感想戦

いや~選ぶのも書くのも飲むのも本当に楽しかったです。 Twitterの方に少し選考過程を書いていたのですが、候補が多くて選ぶのが大変ながら、あ~こういうのもあったよなあ、とか思い出しながら選んでいる間はずっとわくわくしていました。生姜記者の「エアホッケー」や、牛蒡記者の「新春、穴熊宣言」など、他にも甲乙つけがたい名棋譜コメが沢山あった一年でした。今年度も既に素敵な棋譜コメを発見しているので、またひとり棋譜コメソムリエ選手権を開催したいと思います。1年だと期間が長すぎるから、上半期・下半期に分けようかしら……

それでは、今回はこの辺で。またひとり将棋イベントを思いついたらブログに書きます!それでは皆様ご自愛くださいませ。

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