将棋情報局3周年記念祭から、観る将おすすめ書籍を語る会

将棋のはなし
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外出自粛のこの時期、マイナビブックスさんの将棋情報局でおこもりにぴったりのセール、将棋情報局3周年記念祭が開催されています!わっしょい!!3周年記念ということでなんと300を超える書籍がセール対象となっています。ということで、今回はそのラインアップの中から、観る将の方にぜひおすすめしたい書籍を3冊ご紹介します。ド級位者の自分が読んで面白かったものなので、棋力に関係なく楽しめると思います。おこもり時間のおともにいかがでしょうか。

まず読んでほしい、尊さがあふれだす1冊 『将棋・名勝負の裏側 ―棋士×棋士対談―』:330円

おすすめしたいものは沢山あるのですが、絶対に読んでほしいのは間違いなくこの『将棋・名勝負の裏側 ―棋士×棋士対談―』です。読んだことがない方は今すぐにでもダウンロードして読んでいただきたい。観る将必読の1冊です。

本書には棋士同士の対談が15本収録されています。ライバル同士や研究仲間、同世代同士など、さまざまな組み合わせで語られる将棋の話から垣間見える、対談相手への尊敬や信頼、期待、憧憬、敬愛。どの対談ももれなく尊い。ページをめくるごとに尊さで胸がいっぱいになります。

まず、冒頭の郷田真隆九段×金井恒太七段(以下すべて現在の段位です)でいきなりエモの塊でなぐられます。金井先生の公開告白に対して、妙に謙遜したり照れたりすることなく、まっすぐに将棋観を語られる郷田先生。痺れます。この対談をきっかけとして、お二人が研究会をはじめることになった、というエピソードでも有名な対談ですね。

そのほかにも鈴木九段×永瀬二冠、木村王位×野月八段、福崎九段×浦野八段などのおなじみのペアや、佐藤康光九段×飯島七段や森内九段×上田女流などちょっとめずらしいペアも。それぞれの熱い将棋観や奨励会時代の経験はどれも胸にくるものがあります。そして、言葉の端々から、ああこの(対談相手の)先生にはとても気を許しているんだなあ、とか、とても尊敬しているんだなあ、憧れているんだなあ、といった雰囲気が垣間見えるのが、この本の最高なところです。

ひとつ、すきなやりとりをご紹介します。村山七段と阿部健次郎七段の対談で、「新戦法や新手を作るのは地方出身の棋士や奨励会員である」という阿部七段の新手論を聞いた村山七段。

村山 これは感心した。将棋を作るのは地方出身者なんだ。

阿部 そうですよ。

村山 でも、地方出身者はよく遅刻する(この日の対談にも阿部五段は遅刻してきた)。行方さん、佐藤天彦、阿部健次郎、三浦さんもそうだ。

阿部 でも、オレは対局には遅刻しないよ。

村山 それは当たり前だよ。

将棋世界編『将棋・名勝負の裏側 ―棋士×棋士対談―』マイナビ出版、p.99 

阿部七段の新手論に感心した直後、このやり取りにお二人の関係性がよく表れていると思います。このやり取りがだいすきで、何度も読み返してはふふっとなっています。

上述のやりとりのように、棋士単独のインタビューとはまた違った、対談だからこそ表れる棋士の魅力がぎゅうぎゅうにつまった名著。観る将必読です!

棋士の素顔が垣間見れる!『将棋指し57人の日常』:763円

『将棋指し57人の日常』は、週刊将棋で連載されていた『私のお気に入り』という、棋士がプライベートで(将棋以外で!)気に入っていることを綴るエッセイをまとめたものです。今回紹介する中では読みやすさNo.1!また、一切指し手や棋譜、局面図が出てこないため、棋力がなくても100%楽しめます。お酒でも飲みながらまったり読みたい一冊ですね。

ブログや雑誌、新聞の連載をやっていたりしない限り、プロ棋士の書く文章を目にする機会はなかなか無いもの。ですが、本書には何と50名を超えるプロ棋士のエッセイが掲載されています。加藤一二三九段や羽生九段、森内九段などのベテラン棋士から中村太地七段や髙見七段などの若手まで、バラエティに富んだエッセイはどれもとても面白いです。また、おそらく自前と思われる超プライベートショット!なお写真も掲載されているのも見逃せないポイントです。

印象に残っているのは、久保九段のエッセイ。最近チーム久保でのTwitterの文章は娘さんが書いているのでは?と疑惑がある程にテンションが高いことで話題の久保九段ですが、これを読むと「あ、Twitterも間違いなくご本人なんだな」と納得できます。他の著書とは一味ちがうノリのエッセイでした。

意外な一面度No.1は松尾八段。お酒について書かれているのは、まあ想定どおりなのですが、その文章が普段の姿(対局中は眉間に皺を寄せ、解説でも基本真面目)からは想像できないような愉快で軽快な文章に驚かされます。たとえば、下記のような具合。

という訳で私には将棋以外でお気に入りとか趣味とかいったものはあんまりアリマセーン。スミマセーン。終わり。と、いいたいところだがせっかくいただいた機会なので、今回は私の数少ない楽しみであるお酒について書かせていただくことにする。

週刊将棋編著『将棋指し57人の日常』マイナビ出版 p.95

アリマセーン!?スミマセーン!?? 普段あまり冗談を言わない先生、というイメージだったのでかなりの衝撃でした。最後まで愉快なノリで書かれた文章で、松尾八段の新たな一面を垣間見れた気がしました。

こんな感じでそもそもレアな棋士の書く文章、かつ普段はあまり見られない一面を見ることが出来る一冊です。気軽に読んでみてくださいませ。

あの先生の若いころを知ることが出来る! 『将棋順位戦30年史 1998~2013年編』、『将棋タイトル戦30年史 1998~2013年編』:550円

最近観る将になった方にぜひおすすめしたいのは、『将棋順位戦30年史 1998~2013年編』と『将棋タイトル戦30年史 1998~2013年編』です。それぞれ、週刊将棋の記事を再編集した記事から順位戦・タイトル戦の記録を振り返る内容です。ポイントは、とにかくお写真が多いこと。贔屓の先生の若かりし頃のお写真を探す楽しさもあり、それらを眺めているだけでも軽く1時間過ぎてしまいます。かなり時間泥棒な子なので要注意。

また、インタビューも充実していますし、当時の対局中はもちろん、対局前後の描写も詳しいので、純粋に読み物としても面白いです。棋力がなくてもまったく問題なく楽しめました。観戦記がお好きな方にもおすすめです。

まずどちらか片方を買ってみたい、という方。羽生九段や森内九段、佐藤康光九段、谷川九段、郷田九段、渡辺三冠、久保九段など、この時期のタイトル戦によく出ていた先生方に興味がある方は『将棋タイトル戦30年史 1998~2013年編』を、あまりタイトル戦には出ていない先生方や順位戦特有のドラマに興味がある方は『将棋順位戦30年史 1998~2013年編』をおすすめします。いずれにしても、どちらも500ページ越えの大ボリュームでたったの550円なので、買って損はないと思います!

以上、観る将が観る将におすすめしたい3冊でした!このほかにも素敵な書籍が沢山あるので、ぜひ公式サイトでお気に入りを見つけてみてください。

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